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夏の高校野球2024【回顧】

 高校野球は、新しい時代になったというか、昔に戻った印象です。 低反発バットの導入により、本塁打が激減し、少ない得点での接戦が多くなりました。 優 勝 京都国際 (京都) 準優勝 関東第一 (東東京) ベスト4 青森山田 (青森) ベスト4 神村学園 (鹿児島) 予想の方は、4校とも無印という結果になりました。 今年の春は、△△○無という結果でしたが、夏の予想はサッパリでした。 この4校は、優勝候補第2グループという存在でした。 京都国際と関東第一は、今年のセンバツで初戦惜敗でした(サヨナラ負けとタイブレーク負け)。 センバツ初戦惜敗の悔しさが、春から夏にかけての厳しく効果的な練習につながり、その成果が実を結んだのでしょう。 <優勝した 京都国際 について> 何といっても、2枚看板の左投手2人がすごかった。 京都大会でも甲子園でも、この2人以外は誰も投げていない。 主力の完投型投手2人がいれば、(3人以上いなくても)優勝ができるということを証明しました。 そして、地方大会・甲子園すべての公式戦で本塁打ゼロ(秋の新チーム結成以来)。 長打力がなくても優勝ができるということも証明しました。 本塁打ゼロだから貧打かというと、全然そんなことはなく、鋭い打球を飛ばせる打線。 そして素晴らしい守備力。 投攻守すべてにハイレベルでした。 <準優勝の 関東第一 について> 決勝はタイブレークでの負けで、紙一重でした。 守備力が大会前の予想よりハイレベルで、明徳義塾・東海大相模・神村学園相手の接戦での守備力には感心しました。 投手も3人の主力投手が、それぞれ持ち味を発揮していました。 エースの坂井投手は、149キロのストレートを投げる一方、130キロ台120キロ台のストレートも投げるという緩急のある直球は興味深かったです。 < 全般 について> 低反発バットの影響がはっきり出て、本塁打が激減。 投手の方も、打たせて取るタイプが昨年までより活躍できる印象。 外野フライを打たせてアウトを取ることも、一つの投球術として可能な印象です。 いくら速い球を投げても、最近の高校生では空振りはあまりしないというのは変わりない。 投手として重要なのは、ある程度のスピードがあるうえで「制球」と「緩急」が重要だと感じます。 低反発バットの影響は、守備にも表れていると感じます。 低反発な分、打球の勢いがやや

夏の高校野球優勝校予想2024

 酷暑対策のため、今年から午前と夕方に分ける2部制が導入されます。 といっても最初の3日間だけの試行段階です。 そして、春から導入された低反発バットが夏でも本塁打の大幅な減少につながるのか、興味深いです。 (春の甲子園は、ランニング本塁打を除けば2本だけだった) <上位人気・期待の4校> 上位人気が予想される高校の中で、個人的に期待する4校です。 健大高崎 (群馬) センバツ優勝校。 左右の投手2枚看板と強力打線でセンバツを制した。 群馬大会では登板していたエース佐藤投手が、左ひじの負傷で甲子園ではメンバー外となった。 これは痛すぎる。石垣投手の負担が大きくなる。下重投手が穴を埋めることができれば春夏連覇は可能。 大阪桐蔭 (大阪) 大阪大会、決勝先発完投の森投手、準決勝先発完投の中野投手、準々決勝継投の山口投手・川上投手、5回戦継投のエース平嶋投手南投手。 まるでプロ野球チームのような豊富な投手陣(ローテーション)。 打線も強力だが、個人的に不安を挙げれば左の好投手相手に苦戦するのでは?(左の好打者が多いので) 履正社相手に12ー2でコールド勝ちしたが、履正社の投手陣が全て右投げだった。 その意味では甲子園初戦の相手興南の左の好投手田崎投手との対戦が楽しみ。 報徳学園 (兵庫) センバツ準優勝校。 プロ注目今朝丸投手と間木投手などの投手陣。 そして鉄壁の守備(兵庫大会は報徳にしては失策多めだったが・・)。 低反発バットの時代に合っている。 広陵 (広島) 昨夏も今春も優勝候補の一角で延長戦での惜敗。 高尾投手が大黒柱だった。 この夏の広島大会では、高尾投手以外も活躍。 山口投手が、投球回21回で、奪三振35、被安打3というのはすごい。 <中穴人気・期待の4校> 青森山田 (青森) センバツベスト8。 関投手は最速152キロ。 他の投手も安定している。 打線も強力で、4番原田は青森準々決勝八戸光星戦で連続本塁打を記録している。 花巻東 (岩手) 春季東北大会で優勝している。 葛西・田崎など複数投手で戦い、安定している。 エース小松投手が復調すれば強力投手陣となる。 5試合で17盗塁の機動力も魅力。 木更津総合 (千葉) 千葉大会準々決勝でセンバツベスト4中央学院相手にコールド勝ち。 その準々決勝が失点0,準決勝も失点0、決勝は延長10回失点1。 投手陣がすごく安定し

2024センバツ高校野球【回顧】

  低反発バットに移行した最初の大会を制したのは、健大高崎でした。 <結果>   印は予想印。{ }内は予想短評  優 勝   △健大高崎 (群馬){新2年生投手コンビに打線も強力} 準優勝  △報徳学園 (兵庫){投手力守備力は低反発バット向きか} ベスト4  ○星稜 (石川)  {最も堅実な実績} ベスト4   中央学院 (千葉){無印} <全般について> 今大会最大の注目点は、低反発バットへの移行でした。 大会を通じての本塁打数は。ランニング本塁打を除けば、たった2本。 昔の高校野球に戻った感じです。 それで野球がおもしろくなくなったかと言えば、個人的には十分におもしろかったです(むしろ、この方が好き)。 ランナーが2塁にいる場合、外野の前進守備が多くなり、ヒットで2塁ランナーが3塁止まりも増えました。 総じて、点が入りにくくなった。 ただ、変更になったばかりで、慣れの問題も大きいでしょう。 低反発バットに慣れれば。夏の大会は打線が活発になるかもしれません。 その兆候は、決勝の2チームの打撃に感じました。 <健大高崎について> かつては「機動破壊」で有名になった高校。 近年は打力に力を入れ、3年前のセンバツでは、秋公式戦10試合で本塁打15本という「強打破壊」(フライボール革命の導入)で出場したが結果は出なかった。 今年のチームは、投手の強力2枚看板を中心として、打力もあり、攻守にバランスが取れた普通に強いチームだった(優勝校のレベル)。 盗塁数は、1回戦に1度だけ。打力に自信があり、盗塁する必要がなかった。 打撃も近年目指していた長打狙いではなく、低反発バットに合わせたものだった。 エースの佐藤投手が準々決勝で指を負傷したのが最大のピンチだったが、石垣投手が準決勝・決勝で好投、チームの危機を救った。 石垣投手は今大会最速の150キロを記録した逸材だが、準決勝・決勝で投球術を身につけた印象。 <報徳学園について> 投手と守備が素晴らしいチーム。 低反発バットの導入で、それがさらに生きた。 大阪桐蔭に勝ったのも、健大高崎に負けたのも、紙一重の印象。 <個人的な予想について> ◎創志学園 は、山梨学院に敗れた。 この試合、秋公式戦に登板のない明星投手を先発させたのが裏目。 確かに変化球は初見では難しそうだが、直球が120キロ台では強豪校相手では無理でした。 2枚看

2024センバツ高校野球優勝校予想

  <低反発の新基準の金属バットの導入> 今大会の最大の注目点は、低反発の新しい金属バットが導入されることです。 これにより、高校野球が昨年までと比べて、どう変わるのか? 新基準バットは、最大径を67ミリから64ミリ未満にして細くして、打球部を肉厚3ミリから約4ミリにして、低反発にする(重量900グラム以上は維持)。 これにより、打球の平均速度や初速が、約3~4%減少するという。 新基準バット導入の目的は、投手らの打球の受傷事故を防ぐためが主な理由だという。 今までより打球が飛ばなくなり長打が減るのだろうか? 打球速度が遅くなることで、内野の間を抜けるヒットが減るのだろうか? <二段モーションの解禁> もう一つ、今年から変わることが、投手の二段モーションの解禁です。 今までは、高校野球では二段モーションが禁止されていた。 新基準バットとともに、これも投手有利の変更ですね。 <上位人気> (世間一般) 世間一般の優勝候補として多く挙がっているのは、次の4校のようです。 作新学院 (栃木) 秋季関東大会優勝・明治神宮大会準優勝。 星稜 (石川) 秋季北信越大会優勝・明治神宮大会優勝。 大阪桐蔭 (大阪) 秋季近畿大会優勝。 広陵 (広島) 秋季中国大会優勝。 <優勝校予想> (個人的見解) 今年は、例年以上に混戦だと感じます。 どこが優勝しても驚けない。 例えば21世紀枠で選ばれている田辺(和歌山)にしても、和歌山大会で市和歌山と智弁和歌山に勝っているし、近畿大会では京都国際に2-3延長タイブレークで惜敗。 だから、一般枠で近畿地区代表で選ばれても不思議ない実力がある。 多くのチームが、しっかりした軸の投手がいる。 近年、3人くらいの同程度の複数投手で目先をかわして出場権を得るチームも多いが、今年は1人か2人のしっかりとした投手がいるチームが多い印象。 低反発の新基準バット導入もあり、投手戦が多くなるのではないだろうか? 競馬の予想風に、印をつけてみた。 (私の場合、◎と☆が人気面で妙味がある馬、いや高校です) ◎ 創志学園 (岡山)< 穴推奨 > <2枚看板投手と優勝実績監督> 秋季中国大会準優勝。決勝で広陵に1-2で惜敗。 技巧派左腕の山口投手は、公式戦防御率0.77。 本格派右腕の中野投手は、公式戦防御率1.33。 2人のしっかりとした投手がいる。 そして、門馬監

九州地区+21世紀枠の出場校分析 [センバツ2024]

熊本国府 (熊本) 秋季九州大会優勝。 春夏を通じて甲子園初出場。 エース坂井投手と左腕植田投手を中心に、守り勝つ野球を目指しているという。 明豊 (大分) 秋季九州大会準優勝。 大分大会最後の3試合の得点が9点7点6点。 九州大会決勝敗退1得点以外の3試合は8点10点5点。 投手陣は、複数投手の継投。 神村学園 (鹿児島) 秋季九州大会ベスト4。 鹿児島大会最後の3試合の得点が12点11点8点。 九州大会準決勝敗退1得点以外の2試合は9点10点。 左腕今村投手は、昨夏甲子園ベスト4を経験している。 野手も、昨夏甲子園ベスト4の経験者が多い。 東海大福岡 (福岡) 秋季九州大会ベスト4。 福岡大会の最後の3試合と九州大会の勝った2試合は、全て2点差以内の接戦。 佐藤投手が6試合連続完投している。 <21世紀枠> 別海 (北海道) 秋季北海道大会ベスト4。 北海に1-4で敗れた。 史上最東端からの出場。別海町は牛乳生産量日本一。 部員19人で選手は16人。 堺投手は、公式戦防御率1.66。 チーム打率は、公式戦.237。 田辺 (和歌山) 秋季和歌山大会準優勝。 市和歌山と智弁和歌山に勝利している。 秋季近畿大会では、京都国際に2-3延長タイブレークで惜敗。 21世紀枠だが、昨秋の実績は、普通の近畿代表として選ばれても不思議ない。 その中心は寺西投手。公式戦防御率1.63。

中国・四国地区の出場校分析 [センバツ2024]

広陵 (広島) 秋季中国大会優勝。 明治神宮大会では、星稜に6-7で敗れた。 昨年センバツベスト4の高尾投手が健在。 加えて、新2年生堀田投手が中国大会決勝で1失点完投。 今年も優勝候補の一角。 創志学園 (岡山) 秋季中国大会準優勝。 技巧派左腕の山口投手は、公式戦防御率0.77。 本格派右腕の中野投手は、公式戦防御率1.33。 元東海大相模監督の門馬監督の手腕に期待。 高知 (高知) 秋季四国大会優勝。 明治神宮大会では、豊川に8-9で敗れた。 その試合以外では、辻井・平の投手リレーが、宿敵明徳義塾に高知大会で2-1四国大会で3-2など最少失点におさえている。 2枚看板の投手を、打線がどれだけ援護できるか。 阿南光 (徳島) 秋季四国大会準優勝。 県立で、センバツは32年ぶり2回目の出場。 快進撃を支えたのが、吉岡投手で、ほぼ一人で投げ抜いた。 部員全員が徳島出身で、バッテリーを始め現チームの多くのメンバーが中学時代に日本一になっている。

近畿地区の出場校分析 [センバツ2024]

  大阪桐蔭 (大阪) 秋季近畿大会優勝。 明治神宮大会では、関東一に5-9で敗れた。 ラマルを中心とした打線は、長打率が高い。 投手陣は、エース平嶋に新2年生コンビ森・中野と最速150キロ級が揃う。 投打に素材が揃うが、大阪大会も近畿大会も強豪相手では1点差勝ちも多く、絶対的強さは感じない。 京都外大西 (京都) 秋季近畿大会準優勝。 近畿大会決勝は、大阪桐蔭に1-2で惜敗。 左腕の田中投手は、ほとんど一人で投げ抜き、公式戦防御率1.53。 京都国際 (京都) 秋季近畿大会ベスト4。 左腕の中崎投手は、公式戦防御率0.73。 62回投げて、与四死球8と制球抜群。 耐久 (和歌山) 秋季近畿大会ベスト4。 近畿大会準決勝で京都外大西に0-1で惜敗。 初出場の原動力は、冷水投手。 和歌山大会から近畿大会まで、全試合を一人で投げ抜いて、公式戦防御率1.73。 報徳学園 (兵庫) 秋季近畿大会ベスト8。 近畿大会準々決勝で大阪桐蔭に3-4で惜敗したことが評価され選出。 昨年センバツ準優勝を経験している、間木・今朝丸の両右腕が中心。 間木投手は、公式戦防御率0.44。 昨年よりは攻撃力が落ちるかもしれない。 近江 (滋賀) 秋季近畿大会ベスト8。 近畿大会準々決勝で京都国際に0-1で惜敗したことが評価され選出。 西山投手は、公式戦防御率1.10。 左腕川越投手も控える。 近畿大会2試合の得点は、2点・0点で、攻撃力はやや落ちるかもしれない。